あの有名なお菓子「ねるねるねるね」が服薬補助アイテムとしてリニューアルしましたね。
こちらの記事では、「ねるねるねるね」の服薬補助アイテム『おくすりパクッとねるねる』について、薬剤師としてお伝えしたいこと、ママとして知りたいことのすべてをご紹介します。
「ねるねるねるね」に薬が登場?
お菓子の「ねるねるねるね」を販売しているクラシエフーズが、国立成育医療研究センターと共同で開発した服薬補助アイテムのことです。
「おくすりパクッとねるねる」という名称で、販売されています。
中身 | トレー1個、スプーン1個、ねるねるのもと6袋 |
味 | メロンソータ味(3袋)、イチゴソーダ味(3袋) |
賞味期限 | 24ヵ月 |
「ねるねるねるね」と「おくすりパクッとねるねる」の違い
「ねるねるねるね」と「おくすりパクッとねるねる」の大きな違いは、作り方と成分です。
作り方の違い
お菓子の「ねるねるねるね」は、1番の粉に水を入れて混ぜてから2番の粉を入れて混ぜます。
一方、「おくすりパクッとねるねる」は、ひとつの粉に水を入れるだけで作れるようになっています。
また、ふわふわに膨らむ泡の量を3分の1に抑え、薬をすべて飲みきれるよう設計されています。
成分の違い
「ねるねるねるね」の原材料は次の通りです。
砂糖、粉あめ、ぶどう糖、でん粉、卵白粉末、食物繊維(ポリデキストロース)、水あめ/キシリトール、酸味料、重曹、香料、増粘多糖類、乳化剤、炭酸カルシウム、着色料(スピルリナ青、カロチノイド、クチナシ、野菜色素、果実色素)
ねるねるねるね ソーダ味
砂糖、粉あめ、水あめ、ぶどう糖、でん粉、卵白粉末、植物油脂、デキストリン/酸味料、重曹、香料、増粘多糖類、炭酸カルシウム、着色料(野菜色素、クチナシ)
ねるねるねるね ぶどう味
様々な添加物が使われているようですが、販売元の公式サイトには次のように記載されています。
合成着色料・保存料不使用
では、「おくすりパクッとねるねる」には何が使われているのでしょうか。
砂糖、粉あめ、ぶどう糖、でん粉、さとうきび抽出物粉末/乳化剤、酸味料、重曹、香料、増粘剤(キサンタンガム)、着色料(スピルリナ青、クチナシ)
おくすりパクっとねるねるメロンソーダ味
砂糖、粉あめ、ぶどう糖、でん粉、さとうきび抽出物粉末/乳化剤、重曹、香料、増粘剤(キサンタンガム)、野菜色素
おくすりパクっとねるねるイチゴ味
大きく違うところをまとめてみました。
甘味の成分 | 卵白粉末 | |
---|---|---|
ねるねるねるね | 砂糖、水あめ | 含有 |
おくすりパクッとねるねる | さとうきび抽出物粉末 | 含まれず |
「おくすりパクっとねるねる」はお菓子よりも高価なだけあって、原材料も洗練されているように感じました。
「おくすりパクッとねるねる」のアレルギー成分
「おくすりパクっとねるねる」について判明している品質は次の通りです。(注:初回記事掲載時確認)
えび、かに、くるみ、小麦、そば、卵、乳、落花生(ピーナッツ)
アーモンド、あわび、いか、いくら、オレンジ、カシューナッツ、キウイフルーツ、牛肉、ごま、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、豚肉、まつたけ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン
他、判明していることを補足情報としてお伝えします。
- 薬との飲み合わせを考慮して、酸味を極力落としている
- 薬によっては効きが悪くなるため、カルシウムは不使用
「おくすりパクッとねるねる」を使用する上での注意
「おくすりパクッとねるねる」の注意点をご紹介します。
錠剤にも「おくすりパクッとねるねる」を使えるの?
残念ながら、「おくすりパクッとねるねる」はどんな薬でもねるねるできるわけではありません。
粉薬、顆粒のみとなっているので、注意が必要です。
全ての抗生物質に「おくすりパクッとねるねる」を使えるの?
一部の抗生物質ではコーティングが溶けて、薬の苦みが強くなるため注意が必要です。
娘の苦手な「クラリスロマイシン」を「おくすりパクッとねるねる」と一緒にねるねるしてみました。
メカニズム的にはお薬のコーティングがはがれて苦味が出るはずですが、娘はおいしいと完食していました。
ねるねるする楽しさと、色のカラフルさで苦味がカバーされたようです。
ただ、薬ひとつ飲むのにねるねる〜の工程はかなり面倒でした。
クラリスロマイシンは1日2〜3回服用するお薬なので、毎回ねるねるしてられません。
というわけでオススメは1日1回3日だけ服用のアジスロマイシン。
これなら買ってねるねるする価値ありです。
(注:苦みの感じ方には個人差があるため、ご注意ください。)
タミフルに「おくすりパクッとねるねる」を使えるの?
タミフルの患者さん用リーフはこちらです。
オセルタミビル「サワイ」(タミフルのジェネリック品)のリーフはこちら。
タミフルとジェネリック品ではコーティング剤が異なるため、タミフルではダメな飲み物(りんごジュース)がジェネリック品ではOKになっていますね。
「おくすりぱくっとねるねる」の苦みの感じ方には個人差があるため、タミフルに「おくすりパクッとねるねる」を使えるかどうかはねるねるするまでわからないということです。
ただ、タミフルドライシロップのジェネリック品はひとつだけ(2024.3月現在)なので、今年はタミフルで試して、来年はジェネリックを試すことも可能です。
「おくすりパクッとねるねる」の販売店は?
2023年10月16日より全国のドラッグストアで販売されています。
実店舗以外の販売はどうなっているのでしょうか。
「おくすりパクッとねるねる」を通販で購入する方法
楽天では「おくすりパクッとねるねる」の販売を確認できたのですが、Amazonでは販売していませんでした。(記事更新時確認)
他の服薬補助ゼリーとの違い
「おくすりパクッとねるねる」はお菓子の「ねるねるね」と比べると高価なようですが、他の子供向け服薬補助アイテムと比較するとどうなのでしょうか。
和光堂の「お薬じょうず 服薬ゼリー」、龍角散の「おくすりのめたねスティック」と比べてみました。
値段 | 内容量 | 推奨年齢 | 賞味期限 | 抗生物質 | |
おくすりパクッとねるねる | ¥486 | 6回分 | 1才〜 | 24ヵ月 | 一部の抗生物質は苦み発生 |
お薬じょうず 服用ゼリー | ¥316 | 12回分 | 7ヵ月〜 | 1年 | 全ての抗生物質で苦みが出ない |
おくすりのめたねスティック | ¥327 | 6回分 | 7ヵ月〜 | 1年 | チョコ風味は全ての抗生物質で苦みが出ない |
「おくすりパクッとねるねる」は他2つと比べると高価ですね。
ちなみに、うちの娘が苦手なのは「クラリスロマイシン」という抗生物質です。
上記の服薬補助アイテムの中でNGなものは「おくすりパクッとねるねる」だけです。
新しい商品が故に、その辺りに改良の余地がありそうですね。
まとめ
結局、「おくすりパクッとねるねる」は子供によく処方される抗生物質だと苦みがでるかもしれないということが判明。
でも、娘はおいしく味わってくれたので個人差はあるみたいです。
気になる方は、一度購入してくださいね。
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