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図表の引用・転載について思うこと

仕事・ライター

クリニックや病院、薬局等の医療機関のWEBサイトを運営している皆様、転載許諾ってご存知ですか?
図表を使用するため版元に許可をもらうことです。
ところが、日本は中〇程ではないにしろ、転載許諾については赤ちゃんみたいなもの。

医療業界での転載許諾の実態

頻繁に見かけるのはこの辺りからの転用でしょうか。

  • ガイドラインの図表
  • 論文の図表
  • WEBサイトの図表


学会発表用のスライドや自クリニックHPで許可をとらずに図表を掲載しているのをよく見かけます。

ご存知ですか?
論文・ガイドライン等何であれ、図表を転載したり改変して使用する場合、転載許諾が必要となります。(引用と見なされる場合もあるかもしれませんが、それが引用か否かは版元への確認が必要です。)


99%有料、もしくは許可がおりません。
今までで一番安かった許諾料が5千円だったでしょうか。
そもそもWEBサイト運営者は「転載許諾をとる」という発想すらなさそうですが、自サイトに転載してるのに引用論文を掲載してないのって「実は結構恥ずかしいこと」だったりします。

引用:ごく短い文章をそのまま紹介すること。転載許諾は不要。

転載:長い文章(または図表)を紹介すること。転載許諾が必要。

克誠堂出版. 引用と転載の違いとは?

では、どうすればよいのでしょう?
転載許諾を取得しない方法と転載許諾を取得する方法の2つにわけて解説します。

転載許諾を取得しないで図表を掲載する方法

図表は自分で作成。これにつきますね。
canvaを使えば無料で誰でも図表を作れるのでオススメです。
(下手でも他からの図表を勝手に掲載するよりはマシ)
なにせ自クリニックサイトなので、自動的にDR監修つき。
国内書籍、国内論文であれば、医者ならば自分で作成→監修で乗り切れると思います。
ただ、医者以外の職業の方が運営しているサイトだと、出版社も製薬会社も容赦なく注意してきそうですが…。

ところが海外論文だとこうはいきません。
たかだかイチ医療機関のWEBサイトにメスが入るとは思いませんが、医者パワーは通用しません。


WEBサイトの場合は削除すれば済みますが、印刷していると大変なことになるかもしれません。

転載許諾を取得して図表を掲載する方法

転載許諾の取得方法を媒体別に解説します。

書籍・雑誌の転載許諾を取得する方法

書籍・雑誌を発行している出版社のサイトには大抵、転載許諾の取得方法が掲載されています。
取得前に料金を知りたい場合は、電話で教えてもらえます。
私が経験した一番安い許諾料は無料、一番高かった許諾料で図表1点につき1~2万円かかった記憶があります。
ただ、ガイドラインの場合は学会へ聞いて欲しいと言われることもあります。
そして、残念ながら許諾をもらえないこともありました。

国内論文から

国内論文の場合もまずは出版社のサイトを見ましょう。転載許諾の取得方法が掲載されています。
取得前に料金を知りたい場合は、電話で教えてもらえます。
ただ、医学論文の場合は執筆者からも許諾を取得することを求められます。
著作権は出版社にあるはずなのに、日本特有の謎のしきたりです。

海外論文から

海外論文はたいていCCC(Copyright Clearance Center)というサイトから転載許諾を取得することができます。
取得することができない場合は、出版社のサイトを見ましょう。転載許諾の取得方法が掲載されています。
海外論文の場合は著作権は全て出版社にあるため、執筆者からも許諾を取得するという手間は発生しません。(稀に執筆者許諾を求められる時は、その図表をあきらめるのもひとつの手段です。)
ただ、海外の学会の出版物の場合は恐ろしく高額な料金を提示されることがあるため、心づもりはしておきましょう。

WEBサイトから

WEBサイトの場合は、ページ下部の辺りを見ましょう。
「著作権について」「このサイトについて」等のリンク先で転載について掲載されています。大抵「個人利用以外は転載不可」のなっているので、注意が必要です。

結論:キレイな図表を掲載する方法

これまで、図表の転載許諾がいかに煩わしいかをご紹介しました。
自分で作るのがベストではありますが、キレイな図表をWEBサイトへ掲載したい場合は、ランサーズやクラウドワークスで探すのもひとつの手です。(検索は無料ですが、作成はもちろん有料)
デザイナーさんが数多く登録されているので、一度のぞいてみるのはいかがでしょうか。(私も薬剤師ライターとして登録しています)

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